マイホームの建築。
建物の構造をどうするか、あなたはもう決めていますか?
- ぬくもりのある木造で?
- それとも丈夫そうな鉄骨造?
- 鉄筋コンクリートなんてカッコいいよね。
わが家は、軽量鉄骨と重量鉄骨で1か月ほど悩み、最終的には重量鉄骨で家を建てました。
この記事では、
- 軽量鉄骨と重量鉄骨、なにがちがう?
- わたしたちが、どちらに決めるかで悩んだこと
- 重量鉄骨を選んだ「決め手」は、専門家のアドバイス
- 選んでみて、どうだったか
を書いていきます。
木造?軽量鉄骨造?重量鉄骨造?と悩んでおられる方はぜひお読みください。
軽量鉄骨VS重量鉄骨。決定するまでの経緯は?
4階建てを建てることにした
マイホームといえば2階建てか3階建てのイメージだったのですが、うちは以下の理由から、4階建てになりました。
- 10坪ちょいと狭い土地だった
- 容積率が300%あった
- 必要な部屋数を確保するには、3階建てでは足りなかった
4階建てとなると、木造建築では難しくなります。
この時点で、木造建築は選択肢から外れました。
A工務店とB工務店で検討
木造がムリなら、鉄骨造で…と、ハウスメーカーや工務店をいくつかあたりました。
大手ハウスメーカーは
- 予算オーバーだったり
- 気に入ったところが見つからなかったり
で、結局2つの工務店に候補をしぼりました。
軽量鉄骨が得意なA工務店
重量鉄骨がメインのB工務店
この2つで、約1か月ほど話を進めていき、さいごまで悩むこととなります。
どちらの工務店とも、以下のようにしっかりと進めました。
- 初回相談
- 軽量鉄骨・重量鉄骨それぞれの特徴を教えてもらう
- 間取りプラン提案、概算見積をもらう
- それぞれの建てた建築物や住宅を実際に見に行く
- 間取りプランの修正、正式な見積をもらう(値引き交渉あり)
- 最終の返答→契約へ
進めていくことでわかった、軽量鉄骨と重量鉄骨それぞれのメリットやデメリットを解説しますね。
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軽量鉄骨と重量鉄骨のちがい
鋼材の太さがちがう
鋼材の太さが6mm以上だと重量鉄骨となります。
軽量鉄骨は、3〜4mm以下のことが多く、わたしたちが検討していたA工務店でも、鋼材は3mmとの説明でした。
- 軽量鉄骨は柱や梁(はり)が細いので、筋交い(すじかい)を入れて家の強度を高めます。
- 重量鉄骨は、太い柱や梁を使うため、少ない本数で建物を建てることができるため、間取りの自由度が高まります。
ただし、柱が太いため、部屋の角などに出っ張ってしまうことがあります。
耐用年数がちがう
国が定めた耐用年数 | |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨 | 19〜27年 |
重量鉄骨 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
コストがちがう
軽量鉄骨より、重量鉄骨のほうが総合的にコストが高くなります。
- 建築費用
- 固定資産税
- 地盤改良工事費用
など、すべて重量鉄骨造のほうが高くなります。
軽量鉄骨で4階建てを建てるメリット・デメリット
軽量鉄骨のA工務店にひかれたこと
重量鉄骨よりもコストが安い
上に書いたように、建築にかかわるコストがおさえられます。
また、固定資産税も重量鉄骨製より安くなります。
いずれも、
(高い) 鉄筋コンクリート > 重量鉄骨 > 軽量鉄骨 > 木造 (安い)
の順です。
実際の見積額も、数百万円ちがいました。
面積が稼げる
軽量鉄骨と重量鉄骨では、外寸が同じでも内寸はずいぶん違いました。
柱が細めなので、小回りがきく印象です。
ほんの少しのことなのですが、たった10坪の土地なので、10センチ、20センチでも大ごとだったんです。
軽量鉄骨のA工務店で気になったこと
軽量鉄骨で4階建ての例はまだ少ないため、未知数なことがある
一般的に、軽量鉄骨で建てられている住宅は2階建てか3階建てまでのことがほとんどです。
A工務店さんは、軽量鉄骨の事務所や住宅・結婚式場などを30年以上建てていますが、4階建て住宅の施工事例はないと言っておられました。
A工務店の周りでも、「聞いたことがある」という程度だそうです。
このことが、最後まで引っかかってしまいました。
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重量鉄骨で4階建てを建てるメリット・デメリット
重量鉄骨のB工務店にひかれたこと
安定した造りが安心感につながる
工法のパンフレットを見せていただいたときに「安定感がありそう!」とすぐに思いました。
- 太い柱・梁
- 基礎部分がガッチリしている
基礎の部分は、工務店の模型や、建設中の建物を見せていただきました。
鋼材も実際に触ってみましたが、軽量鉄骨のそれよりも太く、結合部も太いボルトでガッチリと締まっていて、かなり安心感がありました。
また、ヘーベルハウスなどのモデルハウスに行き、重量鉄骨造の資料室なども見ましたが、耐震性も含め、安心できるという印象でした。
重量鉄骨のB工務店で気になったこと
コストが高い…
低価格で重量鉄骨を!とうたっていたB工務店ですが、実際に出された見積金額はそれなりに高額でした。
狭小地だったために割高になってしまったことも大きかったです。
正直、はじめの見積提示額がすでに予算オーバーだったので、交渉する気も起こらず、あきらめてA工務店に決めようか、と思っていた時期もありました。
最終的には200万円ほど値引きしてもらったり、サービスでオプションをつけてもらったりしたため、なんとか選択肢に残すことができました。
柱・梁が太いため、デッドスペースができてしまう
これも、狭い土地に家を建てるときには重大な問題でした。
ラーメン工法という、太い柱を要所要所に建てていく工法であるため、柱型が部屋の中にできてしまいます。
また、梁が太いため、建物の隅や階段の横などにデッドスペースができました。
重量鉄骨でも、ラーメン工法のような大きな柱を使う建て方以外の工法もあるそうです。その場合、デッドスペースは少なくなりますね。
何を重視するか?悩んでいたこと
さいごまで迷っていました。
B工務店は高すぎて無理じゃないか?
でも、安心、安全なのはどっち?
ガッチリした、安心した家に住みたい。
4階建てでも軽量鉄骨で問題ないなら、A工務店かなぁ?
3階建てなら、文句なしに軽量鉄骨なんだけど…
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決め手は、専門家の話
「◯日までに返答します」と伝えていた、前日まで悩んでいました。
さいごに、専門家の話をきくことにしました。
- 一級建築士の友人に電話して相談
- 住宅展示場に行き、ハウスメーカーの人に相談
このお二人の話をきくことで、決断することができました。
建築家の友人の話
- 今回の経緯
- 軽量鉄骨で4階建てってどうなの?
- 軽量鉄骨と重量鉄骨って、そんなにちがうの?
- A工務店とB工務店の見積額って妥当?
これらについて、質問してみました。
それに対して、友人の答えは以下のようなものでした。
- 「軽量鉄骨と重量鉄骨のちがい」は、「木造か鉄骨か」くらいの差がある!
- 軽量鉄骨の4階建ては、「理論上、できなくはないよね」という印象。
- 自分なら、重量鉄骨にする。やはり安心・安定感を求めるから。
- 重量鉄骨はコストが高いから、家の中の設備や造作家具などで(予算が足りなくて)我慢しないといけないことが出てくるかも。
- 防音・遮音効果も、重量鉄骨のほうが低音も吸い取るので性能が高い。
- 重量鉄骨で坪単価90万円は良心的。
職業柄、どうしてもハード面(家の素材や基礎)に目がいくそうで
と言いながら、いろいろ教えてくれました。
それまで悩んでいたけれど、専門家のお話を聞いたら重量鉄骨にグーーンとかたむきましたね。
住宅展示場で出会ったヘーベルハウスさんの話
電話を切ったあとに、
と話し、夫と子どもとともに住宅展示場へ。
積水ハウスや大和ハウスなど、大手ハウスメーカーの3階建ての家を見て回りました。
そんな中、軽量鉄骨と重量鉄骨、両方の家を展示していたヘーベルハウスへ。
営業の方が親切な方だったので、わが家の現状を話し、ご意見をうかがいました。
- そりゃもう…軽量と重量じゃ全然ちがいますよ。
- 柱の厚みがちがう。
- 3〜4階建てなら、1階の地震の揺れ方が違います(模型を使って説明)
- 大きなメーカーは、3階建て以上は重量鉄骨のみなんです。50〜60年メンテナンスしないといけないから。
と、ココまでハッキリ言われてしまい、帰り道には完全に迷いがなくなり吹っ切れていました。
つぎの日の朝、A工務店さんにお断りの返事をして、B工務店さんで進めていくこととなりました。
土地を決めたときと同じくらい、最大の分かれ道でした。
でも、今となっては、重量鉄骨で決心して良かったと思っています!
さいごは、専門家の意見が強い動機となりましたね。
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まとめ〜4階建てなら、やはり重量鉄骨が安心〜
この記事では、4階建てを建てたわが家が、ギリギリまで軽量鉄骨か重量鉄骨か迷ったことをふりかえって書きました。
- 4階建てで軽量鉄骨造は不安が残る
- コストや面積など、デメリットはある
- でも、安定感をいちばん優先したい
- 建築士とヘーベルハウスの方の意見を聞いて最終決断!
実際に建設しているところを見て、
と感じました。
狭小住宅で、どうしても縦に細長くなりますので、ガッチリと柱が建っているのを見ると安心できました。
軽量鉄骨造でも、2階建てや3階建てなら何も問題を感じなかったかもしれません。
(実際、うちの実家は軽量鉄骨造2階建てです)
4階建てというレアなケースのため、調べてもなかなか情報が出てきませんでした。
この記事が、なにかあなたの役にたてば幸いです。